カーボンニュートラルの実現、
ヒートアイランド現象の緩和のカギは、既存建物の屋上緑化。
都市を構成する建築物でリニューアルするのは、年間1~2%。
その内、屋上緑化される新築は1%に過ぎません。
都市のほとんどは何年も前に建てられた建築物で構成されています。
既存の建築物に屋上緑化する場合、3つのハードルがあり、敬遠されてきました。
DRAGON ROOFは従来の屋上緑化技術を改善し、課題をクリアしました。
そのため、既存建築物でも施工可能なシステムとなります。
- 屋上緑化設備が重く(60kg/㎡)構造計算が通らない
- 屋上への資材の搬入が困難である
- 雑草抜き等の維持管理コストがかかる
既存建物の屋上緑化が、カーボンニュートラル実現には必須
DRAGON ROOFの特徴
<特許申請中>
- 設備の重量の軽量化に成功
- サイズを改良し施工も簡素化
- 雑草駆除の管理コストを削減
- ヒートアイランド現象を緩和
- サーキュラーエコノミーを実践
- 根が育つ人口培地開発に成功
毎年3%の既存建物の屋上緑化で
2050年の目標値を達成へ
1.設備の重量の軽量化に成功
60kg/㎡⇒32kg/㎡
DRAGON ROOFで独自に開発した土壌の団粒構造を再現した特殊スポンジは、植物が生育し続けることができる超軽量人工培地となりました。基盤部分とタマリュウマットと合わせて、35kg/㎡まで軽量化できました。一般的な屋根の耐荷重は60kg/㎡ですので、十分クリアしています。
2.サイズを改良し施工も簡素化
5kg/㎡、30㎝角
植栽基盤の重量は5kg/㎡であり、容易に屋上まで資材を運搬することが可能です。施工はトレイを並べクリップで固定し、その上に人工培地とタマリュウマットを並べて完成。散水用システムを施工すると、その日から美しいみどりの屋根となります。
3.雑草駆除の管理コストを削減
密度の高い葉が種の飛来を防御
タマリュウマットは、びっしりと葉が生い茂った状態です。一般的な屋根では雑草の種が飛来し発芽するため、草取り管理に注力する必要があります。しかし、タマリュウマットはその葉の密度から培地まで届かず、発芽しにくい環境を作っています。
4.ヒートアイランド現象を緩和
躯体温度42℃⇒31℃
空気層・スポンジ層・植物層の三層構造により、断熱効果を高め、蒸散による放熱効果を発揮します。人口培地は水分保持が可能なため、灌水があれば、夏場でコンクリート躯体の内部温度は26~30°※1で維持され、冷暖房費の削減にもつながります。
※1:2023年三重県農業研究所実証研究結果
5.サーキュラーエコノミーを実践
再生PPの弱点をカバー
トレイは、再生ポリプロピレンを使用しています。ポリプロピレンは、非常に軽く、変形しにくく、折り曲げに強く、薬品に対して強い特性を有しています。対候性に弱い性質はタマリュウで被覆することでカバー。素材のメリットを生かしています。
6.根が育つ人口培地開発に成功
土壌の団粒構造を再現
人工培地開発に一番苦労しました。植物には土が必要ですが、重量が重くなる。ヒントは土にありました。植物にとって大切な土壌の団粒構造を再現した特殊スポンジ開発に成功しました。これにより、植物が生育し続けることができる製品が完成しました。
施工方法
DRAGON ROOF実証研究データ
DRAGON ROOFを屋上に設置することで、屋上のコンクリート内温度を20~31℃に維持できます。
三重県農業研究所に委託し、実証研究を行いました。
□DRAGON ROOF施工あり・なしの比較試験
試験期間:2023年7月11日から8月29日
試験場所:三重県農業研究所内
試験規模:約3.6㎡(1.8㎡×2)
試験設計:地上80㎝の高さにコンクリート躯体(暑さ約100㎜、鉄筋なし)を打設し、防水塗装を施し、中間層に温度センサーを埋設。潅水は上部からの自動散水(7時および17時の1日2回)とし、培地が過乾燥とならない程度に調節。
外来種よりも、
国産タマリュウで生物多様性を保全に貢献。
日本の生物多様性を保全するため、様々な研究や実践が行われてきました。しかし、屋上緑化では未だに外来種の利用が多い状況です。
なぜでしょう?
屋上で植物が生育するためには、最低でも10cmの土壌厚(180kg/m2)が必要なため、構造上の負荷がかかります。それを回避するため、少ない土で育つ乾燥に強い多肉系の外来種が利用されることが多いのが理由です。
タマリュウは、里地里山に生育するジャノヒゲの矮性種で、背丈の低い個体を掛け合わせてつくられました。根茎に水を溜めやすい機構を持ち、乾燥にもある程度耐える植物です。
日本固有の植物で屋上緑化を行うことは、日本の生物多様性を保全する、大切な一歩となります。
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